道具にお金をかけるより、たくさんの釣り場に立つことをモットーにしているチープです。Follow @tsurito___
あまり自分とは縁がないように感じていた魚…トラウト。以前ひょんなことから北海道に行くことになり、周遊してトラウトフィッシングを楽しむことができました。
福岡へ戻ってきてからは、次に行くのはいつになるやら…?などと思っていましたが、急遽人生2度目の北海道行きが決まり再上陸することに…しかも今度は世界遺産の知床。
観光がメインでしたが、朝マズメ1チャンスのみ時間が取れたため、シーズン終盤のカラフトマス釣りにチャレンジして来ました。
瀬渡し船で知床半島の奥地へ渡してもらい釣りができるという、なんとも贅沢な釣りでした。
目次
知床でのカラフトマス釣り…シーバスタックルで挑んでみました
夜中の知床峠越え…怖い…
今回は瀬渡しでの釣行。午前4時出船のため、2時30分頃にホテルを出て、知床峠を越えて港まで向かいます…が…、この時間帯に世界遺産の中を走るのはビビリの自分にはかなり怖い…。
もちろん灯りなんてなく真っ暗で、高確率で鹿や狐達が道路に出ているし、もし熊に遭遇したら…なんて考えていたら、濃霧が出てきてなおさら雰囲気出てきまして…こんな緊張感のある運転は久しぶりでした…。

なんとか鹿と狐達(何故か鴨も)を回避しながら港に到着すると、同じ船に乗船する方が他に4名。準備が終わり、まだ時間帯的にはかなり暗い中、小さめの船に乗船し目的地を目指します。
降りたポイントは熊の気配がプンプン…
30分ほどで小さな入り江に到着。
まだ薄暗い中、ライトを照らしながら5人で固まりながら釣り場まで歩いていると、そこら中にカラフトマスの死骸が…。
鳥に喰われたのか?などと思っていたら、地元の方が「これ熊が食い散らかしているね…」と解説…。

一瞬で色んなことが頭の中を過りましたが、とりあえず地元の方についていっていると、先頭を行っていた方が引き返して来て一言…。
「熊がいる」

カラフトマスが遡上する川の中でお食事中だった様子。

とひよっていると、引き返した方が大声で、
「船長ーーー!!!熊がいるーーー!!!!」
「バァァァァン!!!!」
船長が空包?実弾?どちらかわかりませんが、熊に対して威嚇をしてくれ、熊が一瞬こちらを見た後、茂みの奥へ逃げて行きました…。

目の前は遡上前のカラフトマスの群れ!本命とあっさり遭遇…
わりと熊が出没するというのは、船のHPでも事前の電話でも確認しており、釣り場の前では船も待機して見張り、なにかあればすぐに撤退できる状態にある…と聞いていましたが、まさか本当に遭遇するとは…冷や汗が出ました…。
しかし周りの猛者達は、早速熊がいた川を横切り釣りの準備へ。「固まってやりましょう!」と声を掛けられ、背後を常に気にしながら私も準備を開始。
海を見てみると、なんだか水面がモヤモヤしており、魚の背びれも沢山見える…遡上前のカラフトマスが、流れ込みの前に大量に溜まっているようです。
スプーンを装着し、水面近くを低速で巻いていると、魚が触った感覚…まあこれだけ群れているのでぶつかっているだけなのかもですが…。
まず顔を見せてくれたのは、北海道の癒し系…ガヤァァァーーー!!!
これを避けながら釣るのか?と思っていると、グイッとロッドに重さが乗り、記念すべき本命のファーストヒット。引きはそこまでなく、スルスルよってきたのメスのカラフトマスでした!
フックを外している最中にも、イクラがポロポロこぼれており、なんだか申し訳無さが出てきます…。
大きなせっぱり!恐竜のような顔!ほれぼれするような魚…カラフトマス
周りが完全に明るくなると、足元までウヨウヨとカラフトマスが泳いでいる姿が見えて…なんなら横を流れている川へ一生懸命遡上中です。(その様子を見ているだけでも面白い)
その後、周りもどんどん魚を掛けていき、事前に聞いていた”今年は当たり年”という状況を実感。自分の方も何本か当たってはバレ…てというのが何本かあった後に再びヒット!
先程よりもトルクのある引きで、ファイトを楽しませてくれたのは…念願のオスのカラフトマス!

その後も状況は良く、足元までルアーをチェイスするカラフトマスの姿が何度も確認できます。
そしてまたヒット!先の2本とは明らかに違う強い引きで、右側に大きく走られます。(先の2本同様スレ掛かりですが…)トルクとスタミナがある魚なのか、スピードはそこまでですが、なかなか諦めてくれません。
背中に掛かっており、あまりドラグを締めれない状況でもあるため、ゆっくりやり取りを楽しみ、寄ってきた魚体は…


ずっとかっこええ…かっこええ…と呟きながらカメラをパシャパシャしていると、隣の方が写真撮りましょうかと声かけてくれました…ありがとうございました。
九州民には貴重なカラフトマスの遡上を楽しむ
その方もいい魚を掛けた直後だったため、お返しの撮影で再度パシャリ。
釣れた魚体の格好良さになんだかちょっと満足してしまい、周辺を(熊に警戒しながら)散策したり、カラフトマス達の遡上を眺めたり。
その後再び釣りを再開し、時間までに2本の魚を追加して終了となりました。
まだ黒く色のついていない銀色の魚体の時の方が美味しいらしいですが、九州の民である私にはなかなかお目にかかれないカラフトマス。羅臼町のヤマトにて早速郵送の手続き。
福岡にて美味しくいただきました。
知床でのカラフトマス釣り…自然の中で”遊ばせてもらっている”ことを忘れずに
今回のカラフトマス釣り遠征は、魚が目の前に溜まっているし、ほぼスレ掛かり(時期や状況よっては口を使ってくれるようです)というような釣り方。正直に言うと、釣りとしてはあまり面白みに欠けるかな?と感じました。
群れがフレッシュな状況であれば口を使ってくれるらしいですが、シーズンの終盤だとどうしてもスレ掛かりが多くなってしまうとのこと。
ただ、かなり低速で巻いて、スプーンにはシングルもしくはツインフックを装着。魚もチェイスはしているため、ぶつかって引っかかるというより、反転した時に掛かっているのかもね?と地元の釣り師の方が…まぁこればっかりは魚のみぞ知る…ですね。
しかし、世界遺産の知床半島の中で豊かな自然を感じながら、こんなにも格好いい魚体の魚を釣ることができるというのは魅力的な釣りには違いありません。
さらに私のように九州在住者としては、あのような立派な鱒や鮭に憧れがあるということもあり、遠征してでも行く価値のある釣り、苦労してでも会う価値のある魚だったということは断言できます。
もし今後、釣り人が熊に襲われるなどのことが起こってしまった場合、無くなってしまう可能性もある知床の瀬渡しでのカラフトマス釣り。しっかり自然の中でのルールと船長の言うことを守り、良識ある行動で自然との関係性を保ち、魅力的なこの環境が長く続いていってほしいですね!